ぎっくり腰について
なにげなく重い物を中腰で持ち上げたり、無意識に腰を
ひねったときやくしゃみをした時などに、ギクッと、
それこそ息もできないほど強い痛みがくることが
あります。
この病名は、医学的には急性腰痛症とか、突発性腰痛症
というものですが、西洋では、この突然の痛みから
「魔女の一撃」という名前をつけていますし日本でも
ギクッとすることからぎっくり腰と呼んでいるのです。
ぎっくり腰の原因
●背骨に走っている靭帯が切れるか、切れかかっている。
特に、蕀突起という骨の出っ張りの間を結びつけている
蕀間靭帯や蕀上靭帯が切れかかったり、切れたりしたとき。
●背骨の後ろにある小さな関節突起間関節という関節が
飛び出して、それがはずれかけたり、関節の間にある滑膜が
はさまれたとき。
●これはぎっくり腰の中でも重症なほうになりますが、
椎間板がつぶれたり、椎間板ヘルニアになったとき。
●腰の周りの筋肉が疲労困憊の状態にある時に、
筋肉や筋膜が肉離れの状態を起こしたとき。
以上のような場合を総称してぎっくり腰と呼んでいます。

ぎっくり腰の治療法
■まず楽な姿勢を取る
まず痛くない姿勢をとります。ほとんどの患者さんは、
横に寝るのが一番楽なようですが、あお向けに寝る場合は、
立て膝をし、お尻が沈みすぎるようなときは、
丸めた毛布を膝の下に入れるようにするとよいでしょう。
また、ぎっくり腰の当初は痛みが激しい場合が多いので、
こういう場合には、1日か2日、痛みが楽になるまで、
冷蔵庫の氷を数個ビニールの袋に入れ、少量塩を加え、
それをさらにガーゼに包み、これを痛むところに当て、
冷感法、マッサージをします。
皮膚が赤くなるぐらい何回も繰り返します。
こうして1、2日冷やして熱がなくなり、腫れがひいてきたら、
次に患部を温めます。
そのとき、市販されている火を使わないカイロなどを
用いると手軽にできます。
もし無いときは、バスタオルなどを熱いお湯で絞って
患部に当て、その上からビニールで包むと保温が持続します。
しかしあまりに痛みがひどく、少しでも体を動かすことができず、
しかも安静にしていても痛みがまったくとれないような場合、
あるいは、足先がしびれて感覚がない場合などは、
まず、X 線、CT、MRI 等、専門医に行くべきでしょう。
よくぎっくり腰を起こす人は、朝起きる時も“パッ”と
起き上がるのではなく、うつぶせになり足を曲げて、
ゆっくり座る姿勢になってから起き上がるようにしましょう。
ぎっくり腰を起こすような状態のときは、首筋から足の裏まで
ストレスが蓄積しているのです。
腰だけに目を奪われずに、全身の筋肉をストレッチして、
全身の血行をよくすることが大切です。